皆さんは「シリンジ法(別名:セルフシリンジ法、スポイト法)」という妊活法をご存知ですか?
妊活中であっても「詳しくは知らない」あるいは「初めて聞いた」という方が多いかもしれません。
妊活サプリも大事ですが、こういう外部要素も妊活では大事なんです。
シリンジ法の日本における認知度はまだまだ低く、実践したことがあるという話もあまり聞いたことがないかもしれません。
しかし、実は海外では昔から行われていて、自分でできる究極の妊活法としてポピュラーなものなのです。
今回はそんな究極の妊活、シリンジ法についてご紹介していきたいと思います。
シリンジ法とは?
シリンジ法とは、シリンジという針のない注射器を使って精子を膣内に注入する妊活法のことです。
人工授精とは違うの?
人工的に精子を膣内に入れるというと「人工授精のことじゃないの?」と思う方もいらっしゃると思いますが、シリンジ法は人工授精とは別のものです。
シリンジ法と人工授精はどのような点が異なるのか、見ていきましょう。
・シリンジ法を行う場所どこ?
人工授精:産婦人科で、医師により行われます。
シリンジ法:自宅で、専用キットを用いて自分で行います。
・シリンジ法で不妊原因の特定ができる?
人工授精:あらかじめ不妊の原因を調べて、人工授精に向くケースのみ行います。
シリンジ法:できません。
・シリンジ法で精子の選別はできる?
人工授精:採取した精子を遠心分離にかけて、元気の良い精子のみを選別して使用します。
シリンジ法:できません。
・シリンジ法で精子の注入場所はどこ?
人工授精:子宮に直接精子を注入します。
シリンジ法:子宮の手前、膣の奥に精子を注入します。
・シリンジ法の費用は
人工授精:1回約1~3万円。保険適用外なので比較的高価。
シリンジ法:1回約500円と安価。
どんな人にオススメ?|妊活 シリンジ法
シリンジ法と人工授精は違うものであるとお分かりいただけたと思います。
病院で精子を選別したり、直接精子を子宮に注入することから、人工授精の方が妊娠しやすそうに見えますが、実は、シリンジ法と人工授精では妊娠率に大きな差はありません。
そのため、どちらの方法を選択するかについては、手軽さや費用、どちらが安心できるかなどに重きを置いて考えると良いでしょう。
男性の場合は亜鉛サプリや妊活サプリで体調を整えておきましょう。
上でご紹介した、人工授精との違いを踏まえた上で、シリンジ法が向いているのは以下のような方ですので、選択の際の参考にして下さい。
- 仕事が忙しく、病院へ通うことを負担に感じている
- 不妊の原因が特定できている(シリンジ法や人工授精が向いている)
- セックスレスや男性の膣内射精障害などで、セックス自体をすることが難しい
- 病院での不妊治療は費用がかかりすぎて続けにくい
具体的なやり方は?|妊活 シリンジ法
シリンジ法を選択した場合、実際にどのような方法で行えば良いのでしょうか?
見ていきましょう。
・必要なもの|妊活 シリンジ法
シリンジ、挿入用チューブ、精子を入れる容器がセットになった専用キットを使います。
専用キットはネット通販でも購入できます。
注意点:ネット上には、100均で購入したシリンジやスポイトで行ったという口コミもありますが、絶対に真似をしないで下さい。
これらは衛生面に不安があり、膣内や子宮内を傷つける恐れもあります。
必ず専用のキットを使うようにしましょう。
・行う時期|妊活 シリンジ法
受精しやすいベストタイミングは「排卵日の2日前から3日間」と言われています。
普段から基礎体温をつけたり、排卵日検査薬を使うなどして、このタイミングにシリンジ法を行えるようにしましょう。
・手順|妊活 シリンジ法
専用キットを使った基本的なやり方は以下の通りです。
①容器に精子を採取する
採取した精子は最初は塊状ですが、10分ほど放置すると液状になります。
注意点:精子は水に弱いので、容器は洗わずにそのまま使いましょう。
②シリンジ内に精子を吸引する
シリンジにチューブを装着して、液状になった精子を吸い上げます。
注意点:精子は水に弱いので、シリンジとチューブは洗わずそのまま使いましょう。
③チューブを膣に挿入し、精子を注入する
チューブの部分を膣に挿入し、シリンジをゆっくりと押して精子を注入します。
注意点:挿入はチューブ部分までにします。シリンジ部分まで押し込むと子宮や膣を傷つける恐れがあるので絶対にやめましょう。
シリンジ法で妊娠する確率は上がる?下がる?
シリンジ法の妊娠確率は、基本的には自然妊娠の場合と同じで約5%?25%と言われています。
ただし、受精しやすいベストタイミングである「排卵日の2日前から3日間」に行うことで少しだけ成功率を上げることはできます。
実は男性の味方!シリンジ法助かる男性もいるんです!
人工授精を行うためには、多くの場合、男性が病院施設内で射精して精子採取を行う必要があります。
しかし、仕事の都合などで婦人科に行く時間を作るのが難しい男性は多いもの。
また、ただでさえ男性にとって敷居の高い婦人科という場所で精子採取を行うことに抵抗感のない男性はいないでしょう。
自宅で精子採取をできるシリンジ法は、このように婦人科に通いにくい男性の味方でもあるのです。
疲れている体で性行為がつらいと感じる男性も多くいます。逆に自慰行為は体力も使わないので、そのような場合でもシリンジ法は男性の味方なんですね。
タイミングがとれない時に強い味方になってくれるシリンジ法です。
「夫の仕事が忙しくて…」「上の子に手がかかって…」夫婦でタイミングを合わせるのが難しいと感じている方は多くいます。
シリンジ法は夫の精子採取と妻の子宮内への精子注入を別々の時間にずらして行うことができます。
夫は精子採取さえすればあとは拘束されませんし、妻も夫に上の子を見てもらっている間に精子注入をすることができるので、タイミングを合わせにくい夫婦の強い味方となります。
まだまだ認知度が低いシリンジ法ですが、妊活法のひとつとして検討する価値のあるものだとおわかりいただけたと思います。
「私に向いていそう!」と思った方は、今回の内容を参考に、しっかりと検討したうえでトライしてみて下さいね。