不妊治療をわかりやすく

男性の不妊検査やフーナーテストについて詳しくわかりやすく!

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平成28年に報告された「第 15回出生動向基本調査」によると、3組の夫婦のうち1組は不妊症を心配したことがあり、不妊症自体が珍しいことではなくなりました。

 

男性と違い女性は、妊娠・出産に年齢が大きく影響します。女性の体の中は、検査やタイミングを待っている間も刻々とタイムリミットへ向かっていくのです。

 

もし、男性側に問題があるのに、あなたの思い込みで検査や治療を受けていないのだとしたら、女性の体の負担だけでなく、時間やチャンスも無駄にしていることになりませんか?

 

今現在、多くのカップルが不妊治療を受けています、子どもを授かりたいと思うなら特別なことではないのです。

 

不妊とは?

不妊とは、「妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しないもの」とされ、一定期間は1年というのが日本産科婦人科学会で一般的であると定義し、該当する場合には速やかに専門の医療機関へ相談することを推奨しています。

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不妊は、痛みを伴わわない「症候群」であり「不妊症」と呼ばれます。妊娠に至るまでの複雑なプロセスのどこかに、男性側、女性側、もしくはその両方に原因となる障がいがあるということです。

 

「真の原因」の特定が難しく、時間だけだ過ぎていくという時代もありました。しかし、現在は、生殖医療のすばらしい進化により、はっきりとした原因がわからな場合でも、障がいになっている部分を見つけ出すことで、子供を望むカップルの多くが妊娠できるようになったのです。

 

なぜ不妊の定義が2年→1年に?

日本産科婦人科学会は、2015年に不妊の「一定期間」の扱いを1年へ短縮しました。これは晩婚にともない、妊娠を希望する女性の高齢化、卵子や卵巣の機能の低下は避けられないことから、すこしでも早い時期に不妊治療を始める方が効果が出やすいためです。

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これに合わせて公的な支援制度、特定不妊治療費などの条件の緩和や支援金の拡大をはじめ、男性不妊で行われる手術にたいしても特定不妊治療費に追加する形で各自治体の支援が進んでいます。

 

男性の不妊検査や治療はどこで?

近年の不妊に悩むカップルの多さから専門的な医療機関の拡大など環境整備が進められていますが、男性不妊を専門に扱う施設は、大学病院が多く地域が限られています。

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このため一般的には、男性も女性と同じように不妊治療を専門的におこなう病院やレディースクリニックで進めていきます。

 

なお、妊症の原因には、いろいろな要因が考えられるため、不妊検査は女性だけではなく男性も一緒に受け共有することが、妊娠への可能性を確実に広げるのです。

 

男性の不妊検査とは?

男性の不妊検査は、問診表をベースに、喫煙・アルコールなどの生活習慣のチェック、性欲やステロイド剤や精神科の薬の使用の有無、このほかにも性病や糖尿病といった病歴の確認や、生殖機能にかかわる「大人になってからのおたふく風邪」について聞かれます。通院や病歴などはあらかじめ整理しておくとよいでしょう。

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その後は、触診と視診が行われます。ここでは、陰のうの大きさや腫れや痛みがないかを確認していきます。このとき、男性不妊の原因として多い「精索静脈瘤」(せいさくじょうみゃくりゅう)という大きなコブがないか確認します。

 

次に精液検査を行います。採取した精液の量をはじめ、精子の数、運動率や奇形率といった項目ごとに、WHO(世界保健機関)の基準に照らし合わせ、精液の「質」を確認する検査です。

 

精液の採取はクリニックで行われることが多いですが、病院によっては、自宅での採取も可能です。その場合は、精液の鮮度や保管温度が検査結果に影響しますので、採取や運搬時の注意点などは必ず指示に従いましょう。

 

このほかにも、採血によるホルモン検査や超音波による検査なども同時に行う病院もあります。なお検査費用は、保険診療かどうかで大きく異なるため、事前に窓口に確認すると安心です。

 

これらの結果をもとに、必要に応じて複数回検査をおこなったり、精密検査などを行いながら原因の特定を行っていきます。

 

なお女性の基本検査は、問診、子宮や卵巣などの状態を確認するために内診をおこないます。基礎体温をみながら低温期、排卵期、高温期といった女性のリズムに合わせた検査を行うため、検査期間は1カ月以上必要になっています。

 

男性の不妊検査でわかることは?

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男性の不妊検査で行う精液検査では、WHOで規定された妊娠可能な基準値【精液量・精子数・運動率・奇形率・濃度・運動精子数】の下限値をもとに、この値をクリアしていれば、これにより「元気な精子を作る能力」があると判断されます。

 

なお、精液検査は、体調やストレスなどの影響を受けやすいため、すこし時間をおいて3回以上検査することも珍しくはありません。

 

最終的に、基準値をクリアできない場合には造精機能の障がいが疑われ、精密検査や女性側の検査結果と合わせ今後の治療方針を決めていきます。

 

男性不妊の原因

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不妊症で検査を受けたカップルのうち、男性側、男女両方のケースを合わせると不妊症の全体の4割強の割合で、男性側の問題であることが少なくありません。

 

男性不妊の原因として、精子の数が基準よりかなり少ない「乏(ぼう)精子症」、精液にまったく精子がいない「無精子症」、正常形態の精子が少ない「奇形精子症」の他、精子の数は十分にあるがその精子の運動率が悪い「精子無力症」の割合が多く、これらは造精機能に何らかのトラブルがあると考えられます。

 

このほかにも、精液そのものが作られない「無精液症」、血液検査で見つかりやすいホルモンの分泌の乱れなども不妊の原因となります。また、加齢やストレスによる勃起不全や膣内射精障がいといった射精に対するトラブルも少なくありません。

 

男性不妊の治療方法

男性の不妊の原因のその多くは、乏精子症や、無精子症といった「精子が少ない・いない」といった造精機能障がいの割合が多くなっています。この場合、タイミング法による自然妊娠は難しいため、人工授精(AIH)・体外受精(IVF)・顕微授精(ICSI)といった治療にステップアップしていきます。

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精巣の機能低下「精索静脈瘤」が見られるなど明らかな原因がある場合は、手術により精子の質の改善が見られるため、タイミング法での可能性も広がります。

 

運動率や奇形率も低く、精子の数だけが少ない症状は、血液検査でFSH(卵胞刺激ホルモン:精巣を刺激し精子を作る)、LH(黄体化ホルモン:男性ホルモンの生産に関与する)を確認し、hMG/FSH-hCG療法(自己注射)を行います。この症状は、治療効果が現れやすい特徴があります。

 

精子がみあたらない「無精子症」は、精子は作られているが精液に精子がいない「閉塞性無精子症」と、造精機能に問題があり精子がいない「非閉塞性無精子症」に分けられます。

 

閉塞性無精子症は、陰のうを切開し精子が集まる精巣上体から精子を取り出すMESAと呼ばれる方法と、陰のうの皮膚の上から針をつかって精子を回収するPESAの二つの方法がありますが、どちらも体に負担が少なく日帰りが可能な手術です。

 

このほかにも、つまりそのものを取り除いて開通させる精路再建手術があります。術後、状態が安定すれば自然妊娠することも十分に可能なため、女性側に問題がなく、若い夫婦の場合に選択されるケースされますが、この手術自体の難易度が高く、医師も限られるため特殊な治療法になります。

 

一方、非閉塞性無精子症の場合は、高度な治療が必要になる「精巣から精子を取り出す方法」を試みます。どちらかの一方の精巣を切開して、組織の一部から精子を回収するTESTと、開いた精巣から「精子がいる可能性のある精細管」を回収し、その中から精子を探すMD-TESEがあります。

 

取り出した精子は、冷凍凍結され元気のよい精子をより分け受精の時を待ちます。

 

・フーナーテストとは?

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男女それぞれに大きな問題がない場合でも、フーナーテストとよばれる粘液のチェックを行うことで、不妊の原因が明らかになるケースがあります。

フーナーテストとは女性側の基本検査のひとつで、性交後の子宮頸管の粘液をとりだして、粘液中の精子の数や運動状態を調べる検査です。排卵直前の子宮頸管の粘液は、女性ホルモンの分泌により量が増え伸びやすくなり、精子が子宮の中に入りやすくなります。そのため、この排卵直前の早朝にタイミングをあわせ性交し、その数時間後に子宮頸管の粘液を検査するといった流れで行います。

 

フーナーテストで分かることは?男性の不妊検査と両方?

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精液検査は、男性側の精子の質がわかる検査であり、フーナーテストは採取した子宮頸管の粘液を顕微鏡で観察することで、女性の体が精子を受け入れることができるかを確認します。

フーナーテストで採取した子宮頸管の粘液のなかに運動率の良い精子が多く見られる場合、精子が元気に泳いでいけることがわかり妊娠の可能性が高いと判断されます。逆に、精子が良好であったとしても、フーナーテストで運動状態のよい精子が多く見られない場合には、精子を排除する抗体(抗精子抗体)の存在が疑われます。この抗体があると、子宮内へ精子が到達する可能性が低くなり、不妊の原因になってしまいます。

 

このことからも、男性不妊の検査で受けた精液検査とフーナーテストそれぞれの検査の意味を理解できるかと思います。

 

なお、フーナーテストは男女両方のコンディションに左右されることも多く、排卵日のズレや、子宮頸管の粘液の状態といった女性側の理由によっても大きく影響を受けてしまいます。また、男性側も性交のタイミングを強制されてしまうことから、フーナーテストそのものがプレッシャーやストレスになることも多く、それが精子の質に現れてしまうこともあります。このため、精液検査と同じようにフーナーテストにおいても、複数回行われることが一般的です。

 

精液検査で問題がなく、それでも精子が入っていけない場合には、女性側のホルモン治療や人工授精による子宮に精子を直接届ける方法が検討されます。また抗精子抗体がある場合には、精子を異物として判断し排除しようとする作用が働いてしまうので、体外受精が検討されます。

 

このように、精液検査とフーナーテストを両方受けることで、より確実な治療方針を決めることが可能なのです。

 

フーナーテストは禁欲が良いのか?

フーナーテストは禁欲が良いのか?その答えはNO!!です。

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この理由は、禁欲して時間が経過してしまった精子は、運動能力が落ちています。また、新しい精子は先に作られた古い精子を分解しながら作られるため、精子がいっぱいの状態ではこの生産速度は遅くなってしまい、なかなか新しい精子が造られません。そのため、禁欲すればするほど、運動能力の悪い受精しにくい精子が多くなり、フーナーテストの結果が「不良」と判断されてしまうでしょう。

 

フーナーテストに限ったことではありませんが、過度の禁欲はいいことがありません。1〜2日ほどの禁欲がのぞましく、常に新しい精子が多く存在する状態をつくることで、妊娠の確率があがっていくのです。

 

ただし精子の数が少ない場合は、この限りではありません。医師の指示のもと禁欲を行い精子の全体数を多くするケースもあります。

 

まとめ

すこし前までは、女性が先行して不妊検査や治療をはじめることが多く、大きな原因もない場合はそのままタイミング法で状況をみるケースが多くありました。そのため、特に問題ないがなかなか妊娠せず、やっと男性側の検査やフーナーテストを行い、原因がわかることが数多くありました。

 

あなたが検査をしているその間も、女性の卵子はどんどんタイムリミットに向けて進んでいるのです。そのため、スタートが遅ければ、原因をつきとめた時には既に遅く、なくなく子どもを断念しなければならない場合もあるのです。

 

またこれまでは精液検査の結果で精子がない「無精子症」と診断された場合、治療法がなく子どもを諦めざるえない状態でした。しかし現在では無精子症と診断されても、いくつもの治療法があり、簡単に妊娠の可能性をあきらめる必要はありません。

 

つまり現在の医療では、より早い段階で男性の精子の状態がわかれば、カップルに応じた「妊娠への確実な治療方法」が選ぶことができ、時間やお金はもちろんのこと、身体的にも無理なく進めることが可能です。

 

妊娠・出産は奇跡がいくつも重なって可能になるのです。もちろん一人でかなえられるものではありません。まずは現実を受け入れ「二人で治療を受ける」その一歩を踏み出してみてください。

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