不妊治療をわかりやすく

凍結胚移植の流れや費用を説明します。

2017/09/22

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体外受精や顕微受精では、体外で受精卵を培養して子宮に戻す「胚移植」が行われ、「凍結胚移植」はその胚移植の一つの方法です。
今回はこの凍結胚移植について、流れや費用を中心に見ていきたいと思います。

凍結胚移植とは?

体外受精や顕微受精では体外に採取した卵子と精子を受精させ、できた受精卵(胚)を培養後子宮に戻すという方法が取られ、この一連の操作を「胚移植」と呼びます。

胚移植には2つの方法があって、採卵した周期内に受精卵を培養して子宮に戻す方法を「新鮮胚移植」、培養した受精卵を一旦凍結保存しておいてしかるべきタイミングで解凍して子宮に戻す方法を「凍結胚移植」と言います。

 

凍結胚移植のメリットは?

妊娠率が高い

胚移植後の着床率すなわち妊娠率は、新鮮胚移植では約20%であるのに対し、凍結胚移植では約35%であり、凍結胚移植の方が高くなっています(日本産婦人科学会のデータより)。
これは、体外受精や顕微受精を行う際に排卵誘発剤を使うことに起因すると言われています。

排卵誘発剤を使うことにより、卵巣の腫れ、ホルモンバランスの乱れ、子宮内膜の厚さ不足などが起こり、体が妊娠しにくい状態になることがあります。

そのため、この様な悪いコンディションの中で胚移植を行なわなければならない自然胚移植では妊娠率が低く、コンディションの良い別の周期に胚移植ができる凍結胚移植の方が妊娠率が高くなると考えられています。

 

凍結胚移植は体への負担を減らすことができる

体外受精や顕微受精では排卵誘発剤を用いて複数の卵子を採卵しますが、自然胚移植ではそのうち1、2個の受精卵しか移植できません。

一方で、凍結胚移植では1度の採卵で得られた複数の受精卵を保存しておいて、必要なぶんだけをその都度解凍して胚移植を行うことができます。
そのため、排卵誘発剤の使用や採卵の回数を減らすことができ、それらによる体への負担を最小限にすることが可能です。

実際に、凍結胚移植を行なって、1度の採卵で第3子まで出産したという方もいらっしゃるそうです。

 

 

凍結胚移植の費用は?

凍結胚移植にはご紹介してきたようなメリットがありますが、一方でデメリットもあります。
中でも、大きなデメリットとしてあげられるのが費用の高さです。

病院によっても異なりますが、一般的には胚を凍結するのに約5万円、胚を解凍して移植前の調節を行うのに約3万5千円ほどの費用がかかると言われています。
また、ホルモン補充剤などを使用するケースではその費用もかかります。

さらに、通院期間も長くなるため、その都度受診料や交通費などの費用がかかることも念頭に入れておかなければなりません。

 

 

凍結胚移植の流れは?

凍結胚移植には2つの方法があります。

1つ目は「自然周期移植」と呼ばれる方法で、自然な排卵のタイミングで移植を行います。
生理周期が規則正しい方であれば自然周期移植を選択することが可能になります。

2つ目の方法は「ホルモン補充周期移植」と呼ばれる方法で、ホルモン剤を使って人工的に排卵周期を調整のうえ胚移植を行います。
生理周期が不規則な方や仕事などの関係で移植日を事前に決めておきたい方に選択される方法です。

ホルモン補充周期移植ではホルモン補充によって子宮内膜を厚くすることができるため、自然移植に比べて妊娠率が高いというメリットが報告されています。
以下にホルモン補充周期移植の基本的な流れをご紹介しておきますので、参考にしてみてください。

<ホルモン補充周期移植の流れ>

1.移植の1周期以上前に採卵

採卵をして、受精卵を凍結保存しておきます。

2.移植の前周期からピルの服用

ピルを服用することで子宮や卵管の働きを活発にしていきます。

3.エストラジオールの使用

凍結胚移植を行う周期から、ホルモン補充剤のエストラジオールを使用します(経口薬または貼り薬)。
エストラジオールの使用は妊娠判定日まで続きます。

4.黄体補充注射

凍結胚移植を行う周期の2周目あたりから、子宮内膜を厚くするために黄体補充注射を行います。
黄体補充は妊娠判定日まで続きます。

5.移植

黄体補充注射の開始から3?5日後に、凍結胚移植を行います。

6.妊娠判定

移植からおよそ2週間後に妊娠判定を行います。

凍結胚移植は妊娠率が高いことから、体外受精や顕微受精を早く成功させたい方にとっては強い味方になる治療法です。
しかしその一方で、費用がかさんだり通院期間が長くなるなど、無視できないデメリットがあるのも事実です。

凍結胚移植を検討する際には、これらのメリット・デメリットを総合的にみて、医師や家族と良く相談していくことが大切です。

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