採卵とは、体外受精や顕微授精を行うために、体外に卵子を取り出すことです。
体外受精や顕微授精を成功させるためには成熟した質の良い卵子を出来るだけ多く採取することが重要なため、採卵のためには排卵誘発剤を用いて排卵日前から準備をしていきます。
しかし、このように時間と手間をかけて採卵までたどり着いても「空胞や変性卵のため、採卵した卵子を体外受精や顕微授精に使えない」と言われて、それまでの努力が無駄になってしまうことがあるのです。
空胞や変性卵(変性卵子)とはどういうことなのでしょうか?
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採卵で空胞とは?
D21で採卵。←ソフィアAでリセットさせると次の採卵までが長い。
左に1つ見えていた卵胞は空胞でした。
でも今回は何となく上手くいかない気がしてたので無の境地。
KLCは10〜11月は13:30までなので、お休みしようかと検討中。遅ればせながら12/1に挙げる結婚式の準備も佳境に入ってきたしな。— 憩@あと1周期お休み&結婚式準備めっちゃ頑張ってる٩( ᐛ )و (@ikoi_kataoka) 2018年9月15日
採卵終わってお寿司食べて帰ってきました٩(ˊᗜˋ*)و♪
左右合わせて20個取れたけど、9個は空胞、1個は変性卵
残り10個のうち9個が成熟卵、1個が未成熟卵で本日中に成熟すれば使えるとのこと
旦那さんのオタマちゃんもOKで全てふりかけでいけそうとのことでした
今回も胚盤胞凍結を目指します— shizuri (@shizuri0227) 2018年4月23日
卵子は卵胞という膜に包まれた状態で卵巣の中に存在しています。
この卵胞中に卵子が入っていない状態、つまり「空っぽ」の卵胞のことを空胞と言います。珍しいことではありません。
採卵の前には「卵胞チェック」と呼ばれる超音波検査をして、卵胞の存在や大きさを確認しますが、卵子の存在や状態は採卵してみないと確認することができません。
そのため、せっかく採卵まで漕ぎ着けたのに空胞が見つかって体外受精や顕微授精できないという事態が起こってしまうのです。
採卵で変性卵(変性卵子)とは?
無事に採卵が終わりました!
卵は10個採れました!
実際13個採ったけど3つは変性卵だったとのこと。しかし、診察で見えていた数より採れると思ってなかったから7〜8個かなぁ、と予想してたからびっくりした。安心しましたー。— ゆるふわ@時間をお金で買う (@kounotoriusa) 2018年4月11日
採卵してきました!
15個取れたうち、4個は変性卵のため使えず、あと2個も使えるかまだわからない状態、確実に使えるのは9個
かなりホルモン値が高いため、OHSSの危険性があるので受精してもすぐ移植はせず、凍結して一ヶ月後くらいに移植になるそうです…#アラフォー妊活 #不妊治療 #IVF— shizuri (@shizuri0227) 2018年2月21日
妊娠に適した卵子は球に近い形をしていて透明感があります。
一方、変性卵(変性卵子)は形がいびつで透明感がない状態を指し、卵子としての質が低いと判断されます。
特に顕微受精を行う場合には卵子に針を刺して精子を注入しますが、変性卵(変性卵子)は針を刺すことに耐えられず失敗してしまうことが多くなります。ですがすごく珍しいということはありません。
採卵で空胞や変性卵(変性卵子)ができる原因は?
はっきりとした原因がわからないことも多いですが、主な原因としては以下のようなことが考えられています。
不妊治療(採卵で空胞や変性卵ができる原因)
女性の体では、1回に1つの卵子を排卵するために、10~1000個もの卵胞を準備しています。
そしてそれらの卵胞は生理が始まると成長を始めますが、その中で最も大きく育った「首席卵胞」以外は全て消えてなくなってしまうのです。
しかし、不妊治療で誘発剤を使って全ての卵胞を育てると、本来は消えるはずの卵胞が未成熟卵になって残ってしまいます。
未成熟な卵子は卵胞の中で自然消滅する確率が高く、結果として中身が空っぽの空胞ができてしまうのです。
また、未成熟な卵子は質が悪いため変性卵(変性卵子)になるのではないかとも考えられています。
加齢(採卵で空胞や変性卵ができる原因)
加齢に伴ってホルモンの分泌量が低下すると、卵子が育ちにくくなって成長がゆっくりになります。
すると卵胞はあるにも関わらず中の卵子が成長しきれず未成熟な状態ができてしまいます。
その結果、空胞や変性卵(変性卵子)ができるのではないかと考えられています。
生活習慣の乱れ(採卵で空胞や変性卵(変性卵子)ができる原因)
生活習慣が乱れるとホルモンバランスが崩れやすくなります。
特に黄体形成ホルモンというホルモンには成熟した卵胞から排卵を促す働きがあり、このホルモンがうまく分泌されないと、卵子が卵胞から飛び出せずに消滅してしまい空胞となることがあります。
また、ホルモンバランスの乱れや血行不良により、卵子の質が低下して変性卵(変性卵子)を引き起こすのではないかとも考えられています。
採卵で質の良い卵が取れる確率は?
採卵には、排卵誘発剤などを用いて複数の卵子を得る刺激周期と、薬を使わずに自然の周期で1個の卵子を得る自然周期があります。
刺激周期の平均採卵数は年齢ごとに異なっていて、25歳で10個弱、35歳で5個前後、40歳で3個弱と年齢を重ねるほど低下していきます。
そして、これらの採卵された卵子の中に、受精に至る質の良いものが含まれる確率は、採卵数7個以上の場合には99%程度、採卵数3個以下であれば85%未満であると言われています。
つまり採卵で質の良い卵が取れる確率は、一般的には年齢を重ねるごとに低くなると考えられるのです。
採卵で空胞や変性卵(変性卵子)が多くて不安でもあきらめないで!
お金はかかるが採卵を続けることが大事!
せっかく採卵した卵子が空胞や変性卵(変性卵子)ばかりだと「私は質の良い卵子ができない体質なのかも…」と不安になってしまうかもしれません。
しかし、質の良い卵子が取れる確率は採卵数に比例します。
医師の指導のもとでご自身に合った排卵誘発法に取り組めば、採卵数を上げることは十分可能です。
治療を続ければその分費用がかさんでしまいますが、たった1個の受精卵を得ることができれば妊娠につながるわけですから、あきらめずに継続することが大切です。
採卵は全身麻酔?局所麻酔?
自然周期で採卵する場合には麻酔を使用しないことが多いです。
しかし、刺激周期で複数個を採卵する場合には1個採卵するごとに子宮壁から卵巣に向けて針を刺す必要があり、何度も針を刺す痛みに耐えられないため麻酔を使用します。
麻酔には子宮に向けて麻酔薬をスプレーする局所麻酔と、静脈に麻酔薬を点滴する全身麻酔とがあります。
局所麻酔の場合には、効き目があるのは膣壁部分のみなので卵巣を針で刺す痛みは感じられます。
採卵数が多い場合には痛みが辛いと感じる方も多いようですが、前もって何か準備しておく必要などなく、処置後の副作用もほぼ起きないというメリットがあります。
一方全身麻酔の場合には、麻酔が効いている間は眠ってしまうため、基本的には採卵の痛みは感じません。
しかし、準備として前夜から絶飲絶食をしなければならず、覚醒するのに時間がかかったり、帰りに車を運転できないなどのデメリットがあります。
また、稀にですが吐き気などの強い副作用が起きることもあります。
どちらの麻酔法にするかは、これらのメリット・デメリットを理解した上で、医師と相談して決めていく必要があります。
空胞や変性卵(変性卵子)の改善方法は?
不妊治療の影響で空胞や変性卵(変性卵子)が出来てしまうのは仕方のないことです。
しかし、原因がその他にある場合には、普段の生活を見直して卵子の質を高めることで、空胞や変性卵(変性卵子)をできにくくすることができます。
せっかく採取した卵子を無駄にしないためにも、普段から以下の点に気をつけてみてくださいね。
食生活を見直す
バランスの良い食事を規則的に摂ることでホルモンバランスが整い、空胞や変性卵(変性卵子)の少ない質の良い卵子をつくることができます。特に、タンパク質、ビタミンB、ビタミンE、カリウム、葉酸などは卵子の質を高める作用がある栄養素ですので、これらを含む食品を中心としたバランスの良い食生活を心がけましょう。
女性の体質を若々しく保つサプリメント
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運動不足を見直す
運動不足だと、血行不良になってホルモンバランスが乱れてしまいます。血行を良くするには、ウォーキングや水泳などの有酸素運動が効果的と言われていますので、無理のない範囲から始めてみて下さい。
冷えを防ぐ
体が冷えると血行が悪くなって、ホルモンバランスが乱れてしまいます。薄着や締め付けのきつい服・アイスクリームなど体を冷やす食品は出来るだけ避け、生姜など体を温める食品を積極的に摂りましょう。
禁煙する
タバコを吸うと体内の活性酸素が増えてしまいます。活性酸素は卵子を傷つけて質を低下させてしまうので、頑張って禁煙に取り組みましょう。