妊活の基礎知識

【男の妊活術!】35歳から増える男性不妊の原因と検査は?

2018/02/02

不妊の原因のおよそ半数は男性側にあります。
しかし、不妊に関する情報の多くは「女性の不妊」にスポットを当てたものであり、「男性の不妊」については見過ごされがちなのが現状です。
そこで今回は、そんな「男性の不妊」について、年齢との関係、原因や検査法を中心に見ていきたいと思います。

男性不妊と年齢の関係

いくつになっても男性は子供をつくれる?

卵子が加齢とともに老化していき、妊娠率低下の原因になることは広く知られてきました。
インターネットで「妊活」や「不妊」などのキーワードで検索されるサイトのほとんどで、卵子の老化と妊娠の関係について触れられているでしょう。
では、男性の精子の老化についてはどうでしょうか?
あまり情報を目にすることはありませんね。

 

最近、男性有名人が60代や70代で父親になったという報道がありましたが、そういった報道を耳にして「男性は何歳になっても射精ができれば、子供がつくれる」「精子に老化はない」と思い込んでいる方が多くいらっしゃいます。
しかし、実は、精子も老化して妊娠させる力が下がる可能性があるということが、最近の研究でわかってきました。
つまり、男性であっても人によっては加齢が不妊に影響を及ぼすというわけです。

有名人は影響力があるので、「あの人ができてるんだから、自分も大丈夫」と思ってしまいがちですが、そうでない人もいるということ、そしてそれが自分であるかもしれないということを頭に入れておく必要があります。

35歳を境に精子の受性能力は低下する!

2014年に行われた獨協医科大学越谷病院の研究で、男性の精子は35歳を境に受精能力が低下する傾向にあるということがわかりました。
この研究では、子供がいる20?40代の男性と不妊治療で来院した男性のそれぞれから精子を採取し、マウスの卵子に注入して、卵子の活性化を見るという手法が取られました。

そしてその結果、子供のいる男性では年齢に関係なく卵子を活性化させる能力の低下は見られませんでしたが、不妊治療で来院した男性では35歳を境に急速に能力の低下が見られました。
つまり、加齢によって精子の機能がほとんど変わらない人と、加齢によって精子の機能が低下する人がいることがわかり、後者の場合では精子の機能低下が始まるのは35歳であるということがわかったのです。

女性の卵子と同様に男性も35歳を超えると精子の質が低下する可能性があり、35歳から男性不妊が増えると言えるのです。

 

男性不妊の主な原因は?

精子の老化や原因不明の場合を除き、男性不妊の原因は以下の3つに分けることができます。

  • 精子をつくる過程に問題がある「造精機能障害」
  • つくられた精子が出てくるまでに問題がある「精路通過障害」
  • 性交渉が持てない「性機能障害」

つまり、精子がつくられ→運ばれ→射精されるプロセスのうちに何らかの問題があると、男性不妊になるというわけです。

それぞれの原因を具体的に見ると、次のような症状が挙げられます。

 

1.造精機能障害

男性不妊の原因中の約90%を占めると言われている障害です。
精巣や内分泌系の異常により、精子を作り出す機能に問題が起きて、精子を上手くつくれない状態です。

無精子症 

精液中に精子が1匹も存在していない状態のことで、造精機能症害の中でも重い症状です。
ただし、精巣や精巣上体に精子が存在している場合もあり、そのような場合には顕微受精などの不妊治療により妊娠することが可能です。

乏精子症 

精液中にいる精子の数が少ない状態のことです。
精子の数が基準より少しだけ少ない程度であればタイミング法で妊娠することも可能ですが、
さらに数が少ない場合にはその数に応じて、人工授精・体外受精・顕微受精などが検討されます。

精子無力症 

精子の数は正常であるものの、運動率が低い状態のことです。
どの程度の運動率であるかによって、人工授精・体外受精・顕微受精が検討されます。

 

2.精路通過障害

精路通過障害 

精子の通り道が塞がっていたり、精子の通り道の近くに炎症などがあって精子が尿道の奥へ通過しにくい状態です。
クラミジアなどの性感染症により引き起こされた精巣上体炎・精管炎や、射精時に精液が膀胱に入っていってしまう逆行性射精などが原因で引き起こされます。
軽度の詰まりや閉塞であれば手術により治療することで自然妊娠も可能ですが、重症の場合には精子を採取して人工授精・体外受精・顕微受精などが行われます。

 

3.性機能障害

性的欲求・性的興奮などが減ったり無くなる状態で、うまく性交渉が持てなくなります。
精子自体には問題がないので、人工授精などで妊娠することも可能です。

勃起不全 

勃起しない、あるいは勃起を維持できない状態です。

射精障害 

勃起には大きな問題がありませんが、早漏・遅漏・膣内射精できないなど、正常に射精が行えない状態のことです。

 

男性不妊の主な検査方法は?

病院で行う検査

男性不妊検査の内容は病院ごとに多少の違いがありますが、まずは問診が行われ、その後に以下のような検査を行うのが一般的です。

男性不妊一般検査 

触診、視診

腹部手術や鼠径ヘルニア手術の有無、精索静脈瘤の有無、精巣・精巣上体・精管の状態などを目や手で確認していきます。

精液検査

精液を採取し、精液量、精子濃度、精子運動率などを検査します。
精液採取は、数日間の禁欲の後に専用容器に射精をするという手順で行います。

血液検査

精子の形成に関与するホルモンの量を検査することで、精巣の機能や高プロラクチン血症の有無などを調べます。

陰嚢部超音波検査

陰嚢部に超音波プローブを当てて、精巣容積の測定、精巣腫瘍の有無、精索静脈瘤の有無などを調べていきます。

以上の検査結果により必要と判断された場合には、さらに専門的な検査を行い詳しく調べていくことになります。
専門的な検査には以下のようなものがあります。

男性不妊特殊検査 

  • 精子生存性検査
  • HOS(ホス)テスト
  • 電子顕微鏡による精子尾部検査
  • 抗精子抗体検査
  • 精液培養
  • 精子クロマチン構造検査
  • 精管精嚢造影
  • 遺伝子検査
  • 尿中精子検査  など

一般検査、特殊検査のいずれも、保険診療で行えるか、自由診療になるかが病院ごとに異なっているため、費用に大きな差があります。
費用については検査前によく確認しておくようにしましょう。

 

自宅でできる精液検査

男性の中には、仕事が忙しくて病院に不妊検査を受けに行く時間がない、病院で検査してもらうことに抵抗があるという方も少なくありません。
そんな方にオススメなのが、市販検査キットを使った自宅で行う精液検査です。
キットには大きく分けて以下の2タイプがあります。

1.自分で確認するタイプ 

自分で採取した精液を、付属の顕微鏡やスマホのカメラを使って観察します。
精液量、精子数、精子運動率などが調べられます。
精液採取から観察までを自分一人でできる手軽さから人気となっています。

2.郵送して臨床検査技師に診断してもらうタイプ 

自宅で採取した精液を専門機関に郵送して、臨床検査技師に検査してもらいます。
精液採取後1時間以内に検査する必要のある精子運動率、精子生存率、PHの検査はできませんが、精液量、精子数、精子濃度、精子正常形態率の正確なデータを知ることができます。

これらのキットでは病院で行うような本格的な検査はできませんので、「病院に行く時間ができるまでに一度調べてみる」、「いきなり病院に行くのは勇気がいるので、まずは敷居の低い方法で調べてみる」といった、病院に行く前段階の検査法として利用すると良いでしょう。

男性不妊と年齢との関係、男性不妊の原因や検査法についてお分かりいただけたと思います。
現在、日本では不妊に悩むカップルは6組に1組いるとも言われていて、不妊はもはや他人事ではないものとなっています。
女性不妊だけでなく男性不妊についてもしっかりと理解を深め、適切に対処していけるようにしたいですね。

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